今回は革靴の色落ちを改善するために染料によるカラーリング・染めを行いましたのでご紹介したいと思います。

雨に濡れたらこんなことに・・・
かかとの部分も満遍なく・・・

雨に打たれて気づいたら部分的に色が落ちてしまったようです。これではもう履けませんよね・・・。しかしこれは誕生日にプレゼントしてもらったもので、しかも1回しか履いていないものでした。これは何がなんでも綺麗にしたいものです。

全体的に色落ちがあるため、今回は全体的にカラーリングを行いました。作業過程も交えながらご紹介したいと思います。

革靴の色落ちをカラーリングで改善!その方法は?

まず、この雨染みのような色落ちを改善するためには思い切って写真の左足のように全体的に色を落とす必要があります。この方が、染め直した時に綺麗に色が入るからです。

普通のクリーナーでは色はここまで落ちません。サフィールの製品であるデキャパンという色を落とす溶剤を使用します。他にもシンナーやエタノールなどでも大丈夫です。大変な作業ですし、臭いがすごいのでご自宅でやられる際は注意して下さい。また、紙やすりを使って色を落とすこともできますが革質が荒れますのであまりお勧めはしません。とにかく根気よく、油分を落としながら色も落としていきます。

両足とも均等に色を落としてライトブラウンくらいになったら、ベースイエロー→ブラウン→グラデーションにダークブラウンの染料を使用して染めていきます。元々の色味を忘れないようにしながら慎重に染めていきます。染料もサフィールの製品を使用しております。レザーダイの製品も個人的に好きなのですが、サフィールの方がよく浸透してくれる印象があります。

さて、色を入れ直しました。この時点でもう色落ちは全く目立ちません。しかし、マットの質感になってしまいました。これはアルコール染料を使用しているため油分が揮発し乾燥しているためです。ですので、色落ち防止のためにウォーターベースラッカーと、基本的なシューケアを用いて艶出しと栄養補給を行い完成です。それでは仕上がりをご覧くださいませ!

革靴の色落ちをカラーリングでカバー!どれくらい綺麗に?金額や納期は?

このように全く色落ちが目立たなくなりました!艶も出て新品同様の仕上がりになったと思います。

今後お客様がケアしやすいように、靴クリームでの補色は行っておりません。無色のクリーム・ワックスのみで磨きました。色付きクリームありきの磨きだと、靴磨き好きの方であれば良いですがあくまで一般の方に向けたケアを心がけております。

今回は染料でのカラーリングだったため、費用は11,000円税込、納期も2〜3週間ほどで完成しました。お客様には非常にお喜びいただきました。

雨に濡れて色落ち、雨染みができた等で同じお悩みをお持ちの方はぜひお問い合わせくださいませ。

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お読みいただきありがとうございました。

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小川大地

名古屋丸の内にある、靴磨き・靴修理に特化したレザートータルメンテナンスショップです。
靴磨きメーカー、サフィールのシューケアトレーナーの資格を持っています。
日々靴と向き合い、靴磨きの技術を磨く努力を重ねております。

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