革靴には底付けの製法が様々あります。その製法にも一長一短ですのでそれぞれのメリットデメリットを把握しておくようにしましょう。今回はセメント製法のご説明をしていきます。
セメント製法はアッパー(表革部分)とソール(底の部分)を接着剤で貼り合わせる製法です。この製法は非常に簡易的で機械化することができるため大量生産に長けています。そのため、他の製法の靴と比べると安価で販売されています。接着剤は主に樹脂製のものが用いられるため、意外に防水性が高く、ソールを張り合わせているだけなので反り返りも良く軽いです。デザインの自由度も高いのが特徴です。そのため、女性の靴はほぼ全ての靴がセメント製法です。
ただし、デメリットもあります。まず1つ目は、オールソール(靴底の全交換)の回数に限界があったり、そもそもオールソールできない場合もあります。また、防水性が高い接着剤が使用されているとはいえ、接着剤の劣化により剥がれが生じてしまいます。爪先を強く引っ掛けてしまった際に靴底が剥がれてしまうことも多々ありますので注意が必要です。靴の寿命も短いため、修理しながら長く履きたい方にとってはあまりオススメできないのがこのセメント製法となります。
セメント製法かどうか見分ける方法としては、購入際に問い合わせてみるか、ソール部分が縫い込まれているかどうかで判断していただくと良いでしょう。基本的に低価格のものはほとんどがセメント製法になりますので、1足を長く綺麗に履きたい際は金額とも相談し、違う製法のものを選ぶようにしましょう。
お読みいただきありがとうございました。