以前お客様が違うお店でグレーの革靴を磨きに預けたところ、黒色のクリームを塗られたそうで元の色とはかけ離れた状態で帰って来たそうです。今回はそんな靴をできる限り元の色味に戻しつつムラ感のある仕上げにしましたのでご紹介いたします。

こちらがお持ち込みになった時の状態の色です。タンの部分(靴紐部分の下に付いている革)を見れば、元の色とだいぶ違うのがわかるかと思います。右は表面のワックスを落とした状態です。これだけでも黒く塗られているのが分かります。

グレーの革靴に黒色のクリームを塗ってしまった!どのようにして色を落とすのか?

左の靴がある程度色抜きを行なった状態です。これだけでもだいぶ変わりましたが、色落としの溶剤を使用するとまだ黒色が布に付着しました。

全然終わりが見えません

使った溶剤はサフィールより展開している、染色に使用されるうすめ液とデキャパンです。シンナーみたいなものですね。

レノマットは表面の汚れ落としに使いました。これでもある程度色は落ちます。
これはもともとの色を薄める液体です。今回はこれを多用し布に色を写しました
デキャパンです。かなり臭います。色はかなり抜いてくれますが長時間の使用は器官がやられそうです。

これらを用い色抜きを行いました。残念ながら全ての色を落とすことが出来ないのでできる限り落としました。これらを使用した後は革が非常に乾燥しますので水分と油分を補給してあげた状態が下記となります。

グレーの革靴に黒色のクリームを塗ってしまった!色抜きによりどれくらい改善される?

こんな感じになりました。最初の状態と比べると違いは一目瞭然ではないでしょうか?

つま先は敢えて少し残してグラデーションっぽくしました。こうすることでより色抜きした部分が映えるからです。

かなり時間を要しましたが何とか綺麗になって良かったです。

薄い色の靴に濃いクリームを塗ってしまい色が戻らなくなってしまった!などのお悩みがあれば一度当店にご相談くださいませ。なお、自分でやってみたい!という方は今回状態した道具も取り寄せにて販売致しますので是非お問い合わせ下さいませ。

ちなみに、納期は2週間ほど、金額は靴磨き料金に加え全体の色抜きでしたので計7000円ほどいただきました。部分的なものでしたら金額も抑えられますのでご相談下さいませ。

お読みいただきありがとうございました。

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小川大地

名古屋丸の内にある、靴磨き・靴修理に特化したレザートータルメンテナンスショップです。
靴磨きメーカー、サフィールのシューケアトレーナーの資格を持っています。
日々靴と向き合い、靴磨きの技術を磨く努力を重ねております。

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