靴修理の種類の1つに、ハーフソール修理というものがあります。
革やゴムのソール(前底)に薄いゴムを貼り、滑り止め交換をもたらしたり靴をより長く履くために修理を行います。
このハーフソールの修理は、一般的に裏張り・半張りとも言われています。私自身、靴修理業界で修行していたこともあり、この言葉を多く聞きます。
しかしネットなどで調べると、この修理について間違った情報が流れていることも散見されましたので、私の知識としてではありますが正しい情報をこちらにご案内したいと思います。
半張り・裏張りに関するメリット・デメリットや、いつゴムを取り付けたら良いのか、の情報が飛び交っています。
- 半張り・裏張りをする前に少し履いて慣らしてから修理を依頼するようにする
- ゴムを裏に貼るとアッパーの形が固定され、形や履き心地が変わる
これらは正確な情報ではありません。1つずつ説明していきましょう。
半張り・裏張りをする前に少し履いて慣らしてから修理を依頼するようにするについて
➡︎慣らす必要はありません。少し履いて、革底またはゴム底を削ってから修理屋に持ち込むようにする、と記載がありますが革底はゴムを貼る前に機械でやすりがけをするため新品の状態でもゴムを貼ることができます。
新品の状態で持ち込みいただいた方が綺麗に仕上がりやすいです。ハーフソールを貼らずに履いてしまいますと、革底の薄いジミーチュウやマノロブラニク、フェラガモやセルジオロッシなどの靴はつま先の部分が特に削れます。
つま先部分の削れが進行した状態で修理をしようとすると、減ったつま先部分に革を充てて高さを戻してからゴムを貼ることになりますので余計な費用がかかりますし、見た目も損なう可能性があります。
ゴムを裏に貼るとアッパーの形が固定され、はき心地が変わる
➡︎履き心地の影響は基本的にそこまでありません。1ミリ〜1.8ミリほどの薄いゴムを取り付けることに大きな影響は与え合いと考えます。
ただし、ハーフソールを貼る際に靴を伸ばした状態で取り付けると、まねきが悪くなる可能性がありますので注意が必要です。
また、グリップ力が高まるためにあまり滑らなくなります。メリットではありますがデメリットと捉える方もいらっしゃるようです。しかしながら、裏張り半張りは革底を雨から防いだり快適なものに違いはありませんので、長く快適にお気に入りの靴を履きたい方には是非裏張り・半張りはおすすめです。
お気に入りの靴へ裏張り・半張りを検討されている方へ参考になれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。